ずっと訳したいと思ってたひょそぴのロングインタビュー。かなり長いです。読もうと思った理由は、記事のサブタイトルがぐっと来たから。
‐CRUSHはオタクが世界を変えると信じている-
わたしもそう思う。やっぱ好きだから調べるし、研究するし、努力するし、語りたいし、伝えたいんだと思うんだよね。それが大きな流れとなって世の中を動かすことはあると思う。そのほか落ち着いてきた精神面やアナログ感性への愛着をたっぷり語ってくれてます。
CRUSHの音楽は現実になる
CRUSHはオタクが世界を変えると信じている
撮影を進行したクォン・ジウォンエディターがCRUSHはサボテンのような人だと言ってました。
サ…サボテンですか?とげとげしい?どうしてですか?
落ち着いたオーラを持った人のようだからと言ってたかな?
とてもいい例えですね。僕はスタッキーのような人になりたかったんです。水をあげて管理しなくても勝手に生き延びるじゃないですか。生命力があって空気浄化もして。
心地よい音楽をしたいというCRUSHの音楽のような心地よい植物ですね。
音楽をするときは、ただ心地よくだけはいたくないです。音楽で伝えたい言葉がありますよね。それに合わせてラップだけのヒップホップになることもあり得ます。音楽は当然実験的に継続しなければいけません。チャレンジ精神があってこそアーティスト精神が生まれると思うし、だからこそおもしろいです。
(もぞもぞとパンツのポケットからスマホを出すCRUSH)
何してるんですか?
メモしようと思って。サボテンが何でしたっけ?
落ち着いた雰囲気があるみたいだって。今日撮影しながらあれこれと変数がありましたよね。 CRUSHの立場では面倒だしイラつくはずなのに、穏やかでブレがありませんでした。サボテンも周りの環境がどんなに良くなくても、外部の要素に振り回されないでしょう。ストレスを受けることはあってもサボテンのようにまっすぐ自分の道を行くという態度。どっしりしていますよね。
サボテンを見て落ち着いてると感じますか?僕は騒がしい感じがするのに...不思議ですね。
2018年はどうでしたか?
とても幸せでした。常に結果論的な世界観だけを持って生きてきたけど、いくつかの出来事をきっかけに内面的な幸せについてたくさんの発見があった時期でした。音楽に限らず人生全般において、今後どのように幸福を追求するかについて悟りました。
昨年12月にはデビュー6周年でしたし、同時に記念すべきこともいくつかありましたね。2年前にオリンピック公園で単独コンサートをしたいと言っていた夢も叶い、さらにコンサートのチケットは1分で完売。12月にはアメリカツアーも成し遂げましたね。
忙しく生きてきたと思ってましたが、今回ツアーをしながら感じたことが多くありました。アメリカの7都市を1日2日間隔で移動しました。ダラスだったかシアトルかで最後の曲で‘잊어버리지 마’を歌う際、最前列にいた外国人ファンの方が最初から最後まで一緒に歌ってくれて泣いてたんですよ。わぁ、とてもありがたかったし不思議でした。
音楽をしながら他にも不思議だった経験はありますか?
いつも不思議です。もともとは作曲家が夢でした。「作曲が上手くなってかっこいいプロデューサーになろう」というのが始まりでした。憧れのプロデューサーはバックストリートボーイズのプロデューサーマックス・マーティンや、ブラックミュージック方面ではクインシー・ジョーンズは、基本的にどのようにプロデュースをしたら上手くいくか分かってる方です。その方たちを見ていい歌を作ることも重要だけど、ミュージシャンによく似合う服を着せてあげることが良いプロデューサーだと思いました。けれど僕が自分の服を作ることになるとは思いませんでしたね。
最近でこそプロデューサーが注目されてますが、CRUSHが学生の頃はプロデューサーの存在も知られていない時期じゃありませんでしたか?将来の夢としてはプロデューサーよりは作曲家、作曲家よりは歌手が人気だったはずなのに。
自分が歌が上手いとは思ってませんでした。曲を作ると歌詞を書いて、メロディーを作ったらガイドをしなきゃいけません。ただ音程に合わせて歌うことができたからガイド録音をしてみたら、歌うようになってました。僕が作った服を友達にあげても合わなくて、自分の服を作るのが一番上手いみたいです。
自分にどんな服を着せたいですか?
楽な服が好きです。今もジャージを着てますし。音楽も同じように心地よい音楽を作ろうと心がけてます。僕が聴いて心地よければ他の人が聴いても心地よいかなと思って。最近刺激的な歌が多いですが、僕がそれにちょっと疲れちゃって。いつからか人々を慰めてあげられるような歌を作ろうと思うようになりました。2017年の冬くらいだったかな?
‘내 편이 돼줘’からですか?
はい。その歌を起点に友達に「これからは僕も人々を慰めることのできる歌を作りたい」と話しました。
なぜですか?
僕も慰められたくて。
最近CRUSHを慰めてくれるものは何ですか?
愛犬ドゥユです。ドゥユと散歩をよくするんですが、そうしながら慰められることが多いです。ドゥユも僕といるときが一番心地よさそうだし、僕もドゥユといるときが平穏です。あの子は話もできないけど嘘もつかないんです、絶対に。小心者で敏感なところが僕ととても似ています。
ドゥユは初めから敏感でしたか?
初めからそうではなかったですね。僕がまだあの子の面倒を見る能力がない頃に連れてきました。自分の生活さえ大変な時期だったんですが、ストレスを多く受けたとき一人暮らしがあまりに孤独で。だけど僕がこの子の世話までするのは難しくて訓練所に長い時間預けていたんですが、その頃性格がとても敏感になり一層小心者になりました。今も申し訳なくて、早く帰って散歩してあげたいです。一人で長時間いるから。
ミューズを探して旅立つ番組では撮影中チェット・ベイカーの伝記を読んでましたね。
音楽や芸術をする人たちって何かがすぐ出来上がるのではなく、明らかに彼らだけのライフスタイルがあり、追求する方向があるんだろうという気がします。その人の人生を覗いてみるのも面白いです。
だから偉人伝を読むようにミュージシャンの勉強をするんですね?いつからですか?
中学生の頃、音楽をしようと志した頃からです。勉強というより気になってやってることですね。好奇心が旺盛で。
最近 ‘Lay Your Head On Me’を作業したプロデューサーフェルナンド・ガリベイがアメリカのR&Bに対する知識が多いミュージシャンだと、百科事典のようだと話してました。レディー・ガガ、ホイットニー・ヒューストン、ブリトニー・スピアーズのプロデュースをしたというあの方が。
いやぁ光栄です。あまりにもたくさんのミュージシャンがいるのでまだまだだと思います。
憂鬱な音楽を聴いてもバランスを取れるようになったというCRUSHの言葉が、今はどっしり落ち着いて大丈夫だと語っているようでした。そのことで自身の音楽に対する満足度も高くなりましたか?
音楽をしながら満足だと思ったことがありませんでした。だんだん後悔と悔しさを突き放す方法を体得したようです。僕の音楽がどう受け入れられているのかは今も気になります。
音楽をずっと制作しているのにも関わらず気になりますか?
この程度ならヒットするだろう、こんな予想をしながら音楽を作るよりは、人々が僕の音楽を聴いたとき、僕がどんな意図を持って作ったのか、そのような点を理解してくれることにより喜びを感じますね。
2014年に発売したファーストアルバム<Crush On You>で 韓国大衆音楽賞・最優秀R&B&ソウル賞を受賞しました。収録曲10曲すべてを作詞作曲し、その中の5曲は編曲まで。CRUSH天才説が出回りましたよね。
あの頃は特に興味がありませんでした。それがどんなに素晴らしいことかも理解してなかったし、情熱が先走っていた時期なので、もっとがんばれという意味かなと受け取った気がします。
はじめから大きな賞を受賞したために音楽活動に対するプレッシャーが大きくはなかったですか?
音楽家としてプレッシャーはいつも持っていなきゃいけない宿命だと思います。音楽を一人でしているわけではないので、プレッシャーや緊張感はいつも持つべきですよね。
音楽を始めた頃と現在、そのプレッシャーの内容は異なりそうですね。
以前はアルバムを出したら常にチャート上位にいなければという強迫観念やプレッシャーがありました。メディアや周囲の人の期待値に自分を合わせる傾向がありましたが、今はそこから抜け出しました。今抱えるプレッシャーは僕がどれだけ長い間健康に音楽をやっていけるかです。
健康に音楽をするとはどういうことですか?
そのまま健康です。身体的健康、精神的健康。体調を崩すとやりたくてもできないですから。
SNSを見ると家に楽器がかなりありますね。目を引くのは鍵盤楽器の横に立ててある首の長い照明。
みんなのために。雰囲気。
音楽を作るため、そんなに感性を維持しようと努力するんですか?
もちろんですよ。感性がなかったら心を込めず音楽を作るのと同じですから。どんな形の音楽を作るにも、その世界にどっぷり浸る必要があります。アメリカーノを作るにはいい豆とコーヒーポットが必要なのではなく、僕がなぜこのコーヒーを作りたいのかについてまず考えるんです。
音楽に対する欲がものすごいんですね。
それも音楽をする人にとっての宿命のようです。恋愛と同じように倦怠期が訪れることもあって。けれど欲というのは結局のところ自分を削ってまた食べることだと感じることが多くて、それを欲だと思わずに愛情、愛だと思うようにしています。
その表現いいですね。欲ではなく愛情だという言葉。
欲が多いと結果的に失望することになるんですよ。欲を手放すことは一番難しくて。だからうまくやりたい気持ちと欲張らないようにという気持ちの間で天秤にかけてます。
2018年はそのバランスがうまくいった年ですね?
はい。今後もずっとうまくいきますよ。
CRUSHには最高の演奏者が集まったと自負しているバンドwonderlustがいます。自分だけのバンドがあって心強いですね。
実際一流の演奏者ばかりです。僕が集めたわけではなく、やりたい音楽をやろうと自然に集まりました。2年前に初めて結成し、バンドブランディングを僕がしました。小さな目標はバンドのライブ音源をLPで作成することです。このようなことを誰かがやるべきだと思ってます。過去を忘れてはいけないので。
'全ての芸術は過去に答えがあると思う'と語ったインタビューを見ました。
この方法と(アナログ的な)アプローチを韓国でも誰かが続けなければいけないと思うんです。それでこそ先輩たちにとっていい後輩になることができ、後輩たちにもいい手本になることができるから。ソウルスケープという兄さんとこんな話をしました。「上手い子たちは多いけど重要なことを逃してる気がする。こういうことを健全に示せるように僕らが努力しよう。」
CRUSHはそれを実践中ということですね。
実践しなければいけませんね、これから。
音楽を作ることは楽しいですか?
音楽をしながら楽しいと言ってる人はみんな噓つきですよ。決して楽しくはなく、音楽をしてるときが一番大変です。音楽をどうやって楽しくできるんですか?数千回、数万回聴いて身を削る思いで作った歌が、まな板の上に乗せられたときどんな気分だと思いますか?最近は多くの人がアルバムのタイトル曲だけ聴くというのも残念ですし...音楽をしながら「幸せで楽しいです」は矛盾する話ですね。
それでも音楽を続けるのは...
自己満足じゃないですかね?なぜ僕がピアノの上に照明を設置したのかって。真っ暗なところで小さな光の下ではなく、そんな雰囲気の中で弾くほうがいいでしょう。そういうのが全て音楽をする原動力です。そして僕の音楽と僕を応援してくれる方たちに聞かせてあげたい話がたくさんあります。
CRUSHの音楽を聴きながら人々がどんな考えを巡らすと嬉しいですか?
たくさんいろんなことを考えてほしい。人の心を動かしたいです。
ある音楽家は判事、弁護士、検事... ‘사’の字がつく職業の中で一番は、人の心を叩く楽士が一番だと語りました。
これは絶対書いてください。僕のベッドの頭上にはチェコのジョン・レノン の壁画写真があります。ジョン・レノンの ‘イマジン’ は、戦争はやめて平和を取り戻したいという内容でしょう。その頃チェコは共産主義だったのに、自由を望む人々がこの壁にジョン・レノンの歌詞を書き、絵を描きながら平和デモをしたそうです。ジョン・レノンが殺された後、人々は彼を追悼するためにさらに絵を描いて完成されたそうで。それが僕にとってすごく印象的でした。子どもの頃はめちゃくちゃかっこいいミュージシャンになりたかったし、人々に認められたいし、成功したかったんですよ。だけど直接荒波に揉まれていろんなことで苦しんでみると、人々の心を動かすことができる力が、最も恐ろしく大きな力だと考えるようになりました。
趣味がLP鑑賞と収集だということで、動画撮影のためいくつかレコードを準備してほしいとお願いしましたが、ここまで気を使って準備してくださるとは思いませんでした。CRUSHの知人たちは音楽に対するCRUSHの態度が真剣で素敵な人だと話しますが、どんな意味か分かりました。 ところでLPの魅力は何ですか?
所蔵価値ですね。LPは絶対に嘘をつきません。ビル・エヴァンスの <Walts for Debby>ビニール初版を340万ウォンで購入しました。1961年6月25日にスタジオではなくニューヨークのジャズバー ‘ビレッジ・バンガード’ で録音されたんです。LPレコードの裏面には、このようにアルバムに参加した演奏者、スタジオ名、アルバムが制作された年が全て書かれています。そのこだわりのおかげで音楽の歴史を間接的に体験することができるんです。いくら当時に戻りたくてもタイムマシーンがあるわけではないですから。
発展して新しいものを作るためには音楽オタクをするしかないと語ったことがあります。'音楽オタク' CRUSHは、今でもオタクが世界を変えることができると信じてますか?
はい。音楽に関しては相変わらず好きなものがたくさんあります。選り好みはしないように心がけてますが、未だにデスメタルはちょっと苦手です。ヘビーメタルとか。‘悪そう’ なやつ。
家までの帰り道どんな歌を聴くつもりですか?
聴きません。ときには都市や自然のASMRの方がいいんですよ。より音楽らしくて。
イヤフォンをつけて食事をしたことはありますか?
昔ひどくナルシストだった頃に。かっこよく見られたくて歌も聴いてないのにわざわざ。でもイヤフォンつけて食べるともたれるんですよ。ご飯を食べるときは<スカイキャッスル>(人気ドラマ)を見ればいいです。
Source:크러쉬의 음악은 현실이 된다 - 에스콰이어 코리아 Esquire Korea